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これまでの活動の詳細

震災後、緊急避難のため牛舎に放置された後、放置された牛を救出するボランティアを行いました。十数等の牛を自力で救出しましたが、除染区域での放射能汚染のため、救出した牛はあらゆる地域外への移動をすることができません。そこで地元の農家からの依頼で、牛たちを活用して放置された耕作放棄地の農地保全を請け負いました。その結果、以下の効果を得られることがわかりました。

1.ジャングル状態だった農地が草原になり人の移動や耕作が可能になった

2.雑草を食べた牛糞によって除染で養分を奪われた土地が良質な土壌に生まれ変わった

3.牛を恐れて熊の出現がなくなり、猪の巣を破壊することで獣害を無くなった

従来であれば膨大な機械と燃料を使い、あるいは除草剤をつかっていた除草がほぼ無償ででき、化学肥料の使用も不要良質な堆肥が生産でき、処分にこまる獣害を牛の存在だけで実現できるということを発見しました。重機が入れない小さな土地や平坦でない土地にも牛は入れます。まさに地方の小規模農家にうってつけの手法ということがわかりました。

牛をコントロールするには草刈りしたい地域を電気柵で囲い水を用意するだけです。その電源は太陽光をつかうことでオフグリッドで実現できます。しかもこれらの活動を11年間わたし女性一人とボランティアで実現してきました。労働生産性でも従来の機械と石油に頼った手法より効率的、生産的な手法となります。

2022年まで帰宅制限区域だった大熊町での活動のみでしたが、今年から富岡町の耕作放棄地の回復に取り組んでいます。山羊などの動物に比べ圧倒的に除草の生産性が高く、樹木なども引き倒し緑地化することが可能です。

福島の帰宅困難地域で、従来なら食肉や乳牛としてしか扱われなかった牛は、本来人類が農業をする上で欠かせないパートナーでした。その役割は20世紀から機械と石油にとって代わり、その結果食肉としての経済価値しかなくなり大量畜産による環境破壊の問題が起きています。モーガニック農法は太陽パネルと電気柵と牛さえいれば実現できるため、日本の山村地帯の小規模農家に最適です。日本だけでなく世界の小規模農家を救うソリューションとしてのポテンシャルを秘めていると確信しています。

これまでは、一切の投資も補助金も受けることなく、塾やコンビニなどの夜間アルバイトをしながら11年間自力で活動してきました。少ない資金と労力でこの手法を実現できるノウハウがあります。あとはこの手法を学び、広げる仲間と、この手法の価値を体感できる学びの場の創造です。

今回のクラウドファンディングを通して私しかいない常勤スタッフを増やし、スタディツアーを組むことで、日本中の農村過疎地の問題も解決したいと思っています。

活動場所と地域

帰宅困難地域:日本で最も厳しい立入制限・制約

農業や酪農で暮らしてきた人たちが町から着の身着のままで避難された後、飼われていた牛たちは水や食べ物をもらうことができず多くが餓死したり、町をうろついて側溝や沼に落ちたりして死ぬこともありました。一方で人が消えた農地や山、人家の庭なども管理する人がいなくなり荒地化していました。本来人が居てようやくメンテナンスでき成り立っていたものが、人がいなくなった途端、荒れゆく一方になってしまいました。

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参考文献

植生学会「愛しの生態系: 研究者とまもる「陸の豊かさ」」2023 1、鈴木宣弘「世界で最初に飢えるのは日本~食の安全保障をどう守るか~」講談社2022 2、ゲイブ・ブラウン「土を育てる~自然をよみがえらせる土壌革命~」NHK出版2022<https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000819002022.html> 3、中田哲也「フード・マイレージ: あなたの食が地

SDGs

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