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世界的な背景と日本の文化


世界の土地の3分の1が劣化していると言われています。

近年の世界情勢による、食糧や飼料、原油価格など様々な物価の高騰及び日本お購買力低下が連日メディアで報道されています。

作物を作るための三大要素、窒素リン酸カリウム等の化成肥料も日本は海外からほぼ 全量を輸入していますが、作るための石油は勿論、原料自体も枯渇が見えはじめています。今や価格が2倍に急騰しており、そのうち調達できなくなるのではと心配する農家の声を聞いています。農家の経営が更に厳しくなり、廃業が相次いでいる中、いずれ物価が下がることを期待してこのままの状況維持でいいのでしょうか。

今回もーもーガーデンの一員となったポテコロとブンちゃんは、そんな酪農家の方から託された牛たちです。

牛のいのちをいただくことでようやく成り立っている畜産農家や酪農家でさえ廃業を余儀なくされているなか、肉も乳も出荷できなくなった廃用牛で経済的に成り立たせるのは不可能と言われる中の前代未聞の挑戦ともなります。

しかし、日本には古来から肉や乳の提供が目的でなく、存在することにより豊かな土地を作る役畜という飼い方がありました。牛がトラクターに置き換わるひと世代前までは、全国の農村では動物たちとののびのびした日常が当たり前のようにあったのです。そこには、SDGsやエコが叫ばれる前から連綿と受け継がれてきた【人間は自然の一部】という精神や文化が背景にあります。その日本の伝統をもーもーワールドで現代に復元し、日本全国津々浦々の里山に普及させたいと思っています。近年アニマルウェルフェアが欧州・欧米で発達してきましたが、日本では昔から自然の一部として動物とともに歩み、家畜と日々共働してきた歴史があります。だからこそ、日本のブランドとして発信できるモデルがあります。わたくし、谷、は福島でたくさんの馬頭観音の石碑や立派な祠をこの10年間見ながら生活してきました。全国の里山にも同じ風景があります。日本人は人のために供してくれた家畜への感謝の気持ちを持ち続けてきました。

日本が飼料や化学肥料を海外から輸入することで、日本の外の土地が劣化し、その地の人々が自分たちの食料を生産することを難しくしています。

飼料以外にも日本には豊かな山林があるにも関わらず、木材の7割は輸入しており、海の生物を育むためのミネラルの循環を阻害しています。

今一度わたし達の住む日本の資源に目を向けて食のあり方について考えてみる機会がきているのではないでしょうか。10年以上続けてきてわかったことは、わたくし1人の力では限界があるということです、ぜひ皆様のお力をお貸し下さい、そして一緒に考えてください。

ベストセラーになったデイビッド・モントゴメリ著作の内蔵と土にも書かれていますが、人は大地の微生物を体内に食べ物から取り入れることで免疫力を高めて生存してきました。

地方の里山で作る有機作物は、人間が免疫力を獲得し健康になるためのベースです。

被災地福島は、震災前から多くの牛農家の方々が餌をほぼ自家生産してきた日本の中でもすごい地域です。その経験と技術を受け継ぎ、無料の野草を良質な餌に変えて、完全自給自足する最も省力的な方法を考え、実際に作ってきました。

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参考文献

植生学会「愛しの生態系: 研究者とまもる「陸の豊かさ」」2023 1、鈴木宣弘「世界で最初に飢えるのは日本~食の安全保障をどう守るか~」講談社2022 2、ゲイブ・ブラウン「土を育てる~自然をよみがえらせる土壌革命~」NHK出版2022<https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000819002022.html> 3、中田哲也「フード・マイレージ: あなたの食が地

SDGs

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