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2022年まで帰還制限区域だった大熊町での活動のみでしたが、今年から富岡町の耕作放棄地の回復に取り組んでいます。山羊に比べ圧倒的に草刈り効率が高く、樹木も引き倒し緑地化して原状回復することが可能です。狭い土地に大量の牛を飼育する必要がないこのモデルでは適切な窒素と炭素のバランスにより牛の糞が良質な堆肥を作り、荒れた土壌の改善による炭素貯留が期待できます。

今回の研究の中で、牛のゲップによるメタンガスをオフセットし結果的にネガティブになるとの仮説を検証します 。 

モーガニックとは?

牛(mow)×有機農業(organic) の環境再生型農業です。

動物共栄の里では、完全無農薬なだけでなく、牛の餌にも化学肥料を使用せず、作物を作っています。そうして農地の土壌をただ健康的に維持するだけでなく、土壌を修復、改善しながら自然環境の再生を促しています。(デイビッド・モントゴメリー「土・牛・微生物 文明の衰退を食い止める土の話 」2018)

そして、人の健康も増進します。土と内臓 微生物がつくる世界(The Hidden Half of Nature)

安心安全、そしてなによりとってもおいしい!

なぜモーガニックなのか?なぜ炭素貯留なのか?の重要性

自然の力に支えられている農業において、サステナビリティ(持続可能性)は、重要なテーマのひとつです。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると農業林業その他土地利用(AFOLU)の人的温室効果ガス排出量(GHG)は総排出量の23%にも及び、私たちがCO2排出と聞いてまず思いつく自動車の排気ガスや電力よりも割合が多くなっています。

世界では新しい農業のあり方が、気候変動問題の解決策として期待されています。

これまでの改善作は温暖化ガスの排出量を極力発生させない努力をしてきました。しかし今のままではパリ協定の1.5度目標は到底達成できないとの見解がIPCCを筆頭に近年相次いで報告されています。

私たちの生活に必要な農業や食と、それによる温暖化ガスの排出を減らす必要性、このふたつのバランスをどう取るかを考え続けた結果、牛を利用した”モーガニック”農法を提案します。

国連によると土壌は、大気の2倍、陸上植生の3倍の炭素貯留能力を持つ巨大な炭素貯蔵庫です。地球上では、陸地の3割以上が農業による土地利用となります。

地球で暮らす私たち人間、動物、自然を守るため、土壌の炭素貯留を積極利用し、モーガニック農法を日本中に広げ、環境問題にも向き合います。





人と動物と自然とが共栄できるエコモデル

 人と動物と自然が無理なく互いを尊重しながら共生する場所が”動物共栄の里”です。

人が重労働を強いられることなく、動物は肉や乳を提供しなくても存在自体に価値があり、農作物は均一の形と大きさでなくてもいい、害獣とされる猪や熊が里に降りてきて銃殺されることがない、多様な生物が里山に戻ってくる、実現可能だと信じています。

皆様と一緒に動物共栄の里山の実現に取り組ませてください。ご協力をお願いします!



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参考文献

植生学会「愛しの生態系: 研究者とまもる「陸の豊かさ」」2023 1、鈴木宣弘「世界で最初に飢えるのは日本~食の安全保障をどう守るか~」講談社2022 2、ゲイブ・ブラウン「土を育てる~自然をよみがえらせる土壌革命~」NHK出版2022<https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000819002022.html> 3、中田哲也「フード・マイレージ: あなたの食が地

SDGs

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